コンセプト「Roots & Touch」 2

HULSの工芸事業のコンセプトである「Roots&Touch」。一つは「Roots」。もう一つが「Touch」という言葉。

優れた日本の工芸品に出会うたび、何度も驚かされたのが、その「手触り」の心地よさ。中でも大きな気づきを得たのは、寄木と挽物の技術を生かした「ひきよせ」という小田原の木工品。滑らかな手触りが特徴で、何度も手で触れていたくなる。

世界には、目で見て美しい美術品や工芸品は数多く存在するが、触れてなお美しいものは、日本の工芸品の優れた特徴であろう。

触れて、はじめてわかること。そんな奥行きが日本の工芸品にはある。

私たちは、インターネット社会で生き、多くを知っているようで、本当に大切なものを失いかけているのかもしれないと思う。

綿とシルクの違い。磁器と陶器の違い。砂と石の違い。昔の人は、日々を暮らす上で、当たり前のように知っていたその感覚を、私たち現代人は失いつつある。

「言葉の数だけ、世界を広く認識できるのと同じく、
丁寧に何かに触れた数だけ、
人は日常を大切に想うのではないだろうか」

そんな心構えが、私たちの事業には大切なのだ。