KOGEI & Me

「KOGEI STANDARD」には「KOGEI & Me」というコンテンツがある。日本語に直訳すれば「工芸と私」。工芸に関わる人々のルーツと工芸への想いを紹介するコンテンツだ。

工芸業界では、一般的には、工芸品そのものと、それを作る熟練の職人さんに焦点が当たることが多いが、この「KOGEI & Me」では、そうした職人さん以外にも、次世代の経営者や若き職人、営業や事務職の方などにも取材をすることにしている。

これまで、いくつかの工房を見学して感じていたことは、工芸に関わる様々な人たちの魅力であった。職人さんはもちろんだが、営業の方であれ、業務の方であれ、今の時代にこうしたものづくりに関わる人々は、仕事への情熱や誇りを強く持っていた。

「KOGEI STANDARD」の現場での写真撮影は、サイト公開時から全てプロフォトグラファーの須田卓馬さんにお願いしている。自分と同じ歳である須田さんは、様々な芸能人やモデルの撮影を行うポートレートのプロである。実は、このコンテンツは、須田さんの素晴らしい人物写真を見たときに浮かんだアイデアの産物だった。日本工芸には、素敵な目の輝きを持つ人たちが多くいて、その人たちの一瞬を、須田さんに撮ってもらえたらどんなに素敵だろうかと考えた。

記念すべき「KOGEI & Me」最初の一枚は、岐阜県の窯元・深山に勤める色原さん。入社したての若き職人さんだった。釉薬に手を入れた姿を、須田さんが一瞬で切り取った笑顔はあまりにも素敵で、このコンテンツは多くの人に響くであろうと感じた瞬間でもあった。

工芸に関わる人々にとって、人生で大切な一枚を。

そんな一枚が、私たちの文章と共に、世界に広がっていってくれたらと思う。

文:Yusuke Shibata、写真:Takuma Suda