2016年4月、小倉織の染織家である築城さんが「Milano Design Week」にて、インスタレーションを発表することになり、見学・サポートに行くこととなった。
人生で初めてのイタリア・ミラノへの旅。最初に足を運んだのは、インスタレーションの会場であるミラノ大学。すでにいくつかの作品の設営がされており、見たことのない景色に、大きな感動を覚えた。歴史深い建築物と現代のアートが融合した見事な風景だった。
自分は、こうした場所に立つと、ふと昔の人のことを考えることがある。昔の人たちも、こんな場所でこうして空を見上げていたのだろうかと。そんなことを思うと、自分も歴史の上に立っている気がして、なんだか生きている実感を感じることができる。
次の日は、世界最大の家具見本市の一つである「Milano Salone」を見学。圧倒的な人の多さに、人々のインテリアへの関心の高さを感じる。その後、「Brera Design District」を訪れた。ミラノのデザインウィーク中は、本会場以外にも、街全体が会場となり、様々なアートやデザイン関係の展示が行われる。中でも、この「Brera Design District」は、美しい街並みと共に、徹底したデザイン地区としてのブランディングが行われており、これまで訪れた様々な街の中でも、もっとも好きな地区の一つとなった。
このミラノでの滞在中には、木工職人の黒田工房、有田焼の窯元・李荘窯、岐阜の家具メーカー・飛騨産業など、多くの素敵な出会いがあった。
縞縞と出会ったからこそ、ミラノの地を訪れることができ、ミラノに訪問したからこそ、こうした新たな出会いがある。そんな縁がHULSの事業の支えとなっている。